イカットとは絣(かすり)のこと。絣は束ねられた経糸(たていと)と緯糸(よこいと)のいずれか一方、あるいは両方をあらかじめ部分的に括って防染し、染め分けてから機(はた)にかけて織るという先染め織物の一種です。今日では欧米をはじめ多くの国で「インドネシアの絣(かすり)」を意味する言葉としてつかわれていますが、本来はインドネシア(マレー)語でikat 「くくる」、「縛る」という意味です。インドネシアはイカットの宝庫で、各地で様々なイカットが作られており、質量共に世界最大の産地となっています。経絣、緯絣、経緯絣の3種類すべてのイカットを見ることが出来ます。イカットは主に腰巻(巻スカート)、腰衣(筒型スカート)、肩掛、頭巾をはじめとする伝統的な衣装として用いられています。 |