◎イカットについての私的な考えです!皆さんはどう思われますか?


▲イカット屋さん
 インドネシアにはイカットという名前の伝統的な手織り布があります。イカットとは「糸を結ぶ・くくる」という意味ですが、今ではもう、その言葉自体が世界共通語になっているくらい有名な布です。
 インドネシアの人々はこの布を織り上げてから、端と端を縫って筒状にします。そして、それを老若男女を問わず、巻きスカート風にして身にまといます。寒いときにはそれを頭からすっぽりかぶって防寒着がわりにしたり、そのまま毛布代わりとしてくるまって寝たりもします。高級なものは結婚式やその他の儀式の際に着用します。

▲スンバ島イカット

 インドネシアの人々は実に上手くイカットを着こなしています。私も試していますが、動いているうちに止めたところが取れてきて、落ちそうになり、あわてたことが幾度となくあります。取れない、ゆるくならない秘訣はなんなのかよく分かりません。単に慣れの問題かしら?

←バリ島 ダブルイカット
フローレス島 エンデにて→

▲イカットを着た人々


▲頭からかぶると
 日本でイカットをそういう風に着るとなると、外へ出て行くにはちょっと無理が…。バティックなどは薄手なので巻きスカート風に着ても全然違和感はありませんが、イカットはちょっとぶ厚過ぎます。そこで、お風呂上りの着用をお薦めします。(その場合は胸の上までイカットをまといます。)そのままくるまって寝られるのでとても便利です。(とてもものぐさ者の発言ですが…。)もし、寝相が悪くても「朝起きて毛布がない。」何てことにはなりません。イカットがちゃんとあなたのお腹をガードしてくれますよ。一度試してみませんか?
 こんな風にくるまって寝てみてね→

 日本で見るインドネシアのイカットは飾られていたり、クロスにしていたり、とてもすました様子。インドネシアで見るイカットは「生きている」そんな感じがします。イカットを着て町を歩く人々、古ぼけて色褪せて穴だらけのイカット…。
 インドネシア(特にヌサ・トゥンガラ地方)でイカットを見たときは、とても感動してしまいました。「あのイカットがあんなところに干してあるよ〜〜〜!」「わあ、あそこにもここにもイカットを着てる人がいるよ〜〜〜!」イカットのある生活、何気に存在しているイカット。そして、それがとても馴染んでいる、生き生きとしている、普通すぎる…。当たり前の事なのだけれど、本当のイカットの姿を見た気がしました。

akar kayu
イカットの赤い染料用の木の根っこ。
干しているところ。

▲スンバ島 イカット

 最近では洋服文化の普及にともない(かは分かりませんが)、イカットを着ているインドネシア人が少なくなってきているような…。イカット好きの私としてはちょっと寂しい現状です。でも、もし私がインドネシアの若者だったとしても、きっと伝統的な衣装よりも、垢抜けた西洋からの洋服を着てしまうだろう。時代の流れには逆らえないのだろうか?




イカットジャケットを着たおじさんinフローレス島バジャワ

◎○◎ 最後に、、、 ◎○◎
一枚何役にもなるイカット、民族ごとに違う柄や色を持つイカット、その魅力は計り知れません。
これからもずっと好きでいるだろうなあ、と思える布です。

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